「医療を通じて社会に貢献する」ことへの共感。世界的な医療機器メーカーが学生に問う“覚悟”と“誠実さ”

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今回インタビューしたのは、世界160以上の国と地域で事業を展開し、「医療を通じて社会に貢献する」 ことを価値として提供し続ける医療機器メーカー、テルモ株式会社。 医療という生命に直結する現場を支える同社では、どのような人材が求められているのでしょうか?

今回は、採用担当の廣瀬さんと佐藤さん のお二人に、 「テルモ社に求められる人柄」 や 「面接で見ている本音のポイント」 について詳しくお伺いしました。

大切にしているのは採用ポリシー「3つのT」

Q. テルモの新卒採用におけるこだわりを教えてください。

廣瀬さん: 私たちは、 採用ポリシーとして3つのT(丁寧・適切・多様性)を大切にしており「学生さんを尊重した採用選考」を行っています。

例えば、職種を細分化して採用を行っている点が大きな特徴です。テルモでは「企画営業」「開発技術」「オペレーションDX」「SE」などインターンや採用選考の入り口の段階から職種を分けて募集しています。

加えて、選考過程でも一人ひとりのやりたいことや適性を踏まえて、より詳細にポジションとのマッチングを行います。

Q. 最初から職種が決まっているのは、学生にとっても安心感がありますね。

廣瀬さん: そうですね。これは、学生さん一人ひとりの意向を丁寧に聞きながら、「入社後のミスマッチをなくしたい」という思いがあるからです。 インターンシップや選考の過程でも「一人ひとりに対してしっかりとフィードバックを行い」丁寧に向き合うことを大切にしています。

選考での評価ポイント

Q. 具体的に、面接ではどのようなポイントを評価していますか?

廣瀬さん:最も大切にしているのは、「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念への共感度合いです。

学生の中には、「社会貢献ができるから」「研究環境が良いから」という理由で志望してくれる方も多いのですが、その中でも 「医療への関心が生まれた原体験」や「医療を通じて何を成し遂げたいのか」という想いは、非常に重要なポイントです。

医療業界は、人のいのちや健康に貢献していく大きなやりがいがあり、根底となる想いが明確であれば、医療業界、テルモというフィールドで長く熱意を持って活躍いただけると考えています。

また、人物像において重視しているのは「誠実さ」です。取り繕った回答ではなく、自らが、感じ、考えたことを元にして、ご自身のリアルな言葉で語られているか。興味関心の方向や、物事との向き合い方について、その方の“素”の部分からにじみ出る誠実さを大切にしています。

Q. テルモでは、文系職種と理系職種で、どのような観点の違いをもって評価しているのでしょうか?

佐藤さん:文系職種(営業およびスタッフ系企画系など)と理系職種(技術開発系など)では、評価の切り口そのものが異なります。

文系職については、 「対人力」と「成長可能性(ポテンシャル)」  を重視しています。 成長可能性については、過去に「こんな成果を出しました」という結果だけではなく、「どのような課題に着目し、それに対してどのように取り組んだのか」というエピソードを通じて、ご本人の強みや課題を確認しています。課題や困難な状況をどう乗り越えたかは、入社後の取り組み姿勢にもつながると考えており、伸びしろとして判断しています。 

理系職については、医療やテルモのコア技術に近い研究をしている必要はありませんが、現在のご自身の専門領域に関する知識の深さに加え、「好奇心」や「課題解決力」 を重視しています。面接での受け答えや、提出いただく研究論文などを通じて、これまでの活動の中で、未知なる課題に対してどのように前向きにかつ技術的な視点で取り組んできたのかをお伺いしています。

フィットしやすいのは「個人ワークよりもチームワークで成果を出した人」

Q. 入社後、テルモにフィットするのはどんな学生でしょうか?

佐藤さん: 特にフィットするのは「チームで共創できる人」 です。 私たちの仕事は、決して一人では完結しません。医療機器の開発も製造も営業も、多くの人と関わり合いながら進めていくものです。 

アフリカのことわざに、「早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」という言葉があります。これは、物事のフェーズによって、やるべきことが変わるという教訓でもあり、確かに物事の始まりは個人や小さなところから始まることが多いです。一方で、それがより大きなうねりや、さらには社会貢献にまでつなげていこうと思うと、多くの人を巻き込んでいくことが必要になります。

テルモは北里柴三郎博士をはじめとする医師らが発起人となって設立した会社で、これまでにも最先端の医療技術や製品を開発するとともに、新しいあたりまえの医療として世界に安心・安全を届けてきました。その実学の精神は、今も会社に息づいています。私たちの仕事は、世界の医療に貢献している。大きな貢献を成すためには、チームワークをもってみんなで行こうというわけです。

テルモは共創を大切にしている風土があります。だからこそ、個人的な取り組みだけではなく、チームで取り組んだエピソードは、仕事にもつながる姿勢や思いが現れているように感じ、強く心に残りますね。

3Fitで最も重視するのは「テーマフィット」

Q. テーマ・カルチャー・スキルの3つのフィットのうち、何を最も重視していますか? 
 
廣瀬さん: 「テーマフィット」 ですね。テルモは「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げています。一人ひとりの「誰に、どんな価値を提供したいのか」という思いや夢が、私たちの理念と重なって共感できるものであるかを、最も重視しています。

カルチャーやスキルも、もちろん大切です。根本となるテーマへの共感があることで、一人ひとりの特性や得意分野が新しい医療の未来を切り拓く力として花開いていくと思っています。

ハタチ世代へのメッセージ

Q. 最後に、学生に向けてキャリア選択や大学生活のアドバイスをお願いします。

廣瀬さん: キャリア選択においては、「自分は誰に、どんな価値を提供したいのか?」 を問い続けてほしいと思います。特にバックオフィスの業務は、一見するとどの企業も似ているように見えるかもしれません。しかし、誰にどんな価値を届けているかは企業によって大きく異なります。社会にどのような価値を提供したいのか、その目標を、ぜひ見つけてみてください。

佐藤さん: 社会人として働くことは、大変なことも多くあります。1日8時間働くとすれば、人生のおよそ3分の1を仕事に使うことになります。だからこそ、それだけの時間を投資したいと思える価値に出会ってほしいと考えています。大学生活の4年間は、その答えを見つけるための時間でもあります。様々な経験を通じて、自分は何に心が動き、どんな感情を抱くのかに向き合いながら、将来を早く決めつけすぎず、納得のいくテーマを見つけてほしいです。

編集後記

「医療を通じて社会に貢献する」。 

この言葉には、生命に関わる製品を世に送り出す企業としての、強い覚悟が込められていると感じました。採用担当の廣瀬さんと佐藤さんが繰り返し強調されていたのは、 「誰に、どんな価値を提供したいのか」という想いが、全社員で共有されていること、 そして、「原体験に基づいた医療・社会への貢献心」でした 。 

就活対策として用意した綺麗な言葉よりも、あなた自身の経験から生まれた「医療を通じて社会に貢献したい」という素直な想いこそが、テルモという企業にとって最も大切なのだと感じました。

自分は、誰にどんな価値を届けたいのか。
ぜひ一度、立ち止まって考えてみてください。