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さよなら就活対策
「貴重な大学生活を"就活対策"で、消耗していませんか?」
誰も教えてくれない「面接の裏側」を紐解き、これからの大学生活を問い直す、面接官の告白。
今回インタビューしたのは、「なによりも患者さんのために」を理念に掲げ、国内700品目のジェネリック医薬品を手がける沢井製薬株式会社。安定供給・医療費の抑制・患者さんのお困りごとを解決する製品の提供を使命に、日本の医療を根幹から支えているメーカーです。
「ミスマッチをなくすこと」を重視し、情報を開示したうえで学生に選んでもらうという同社は、新卒採用において学生のどのような点を見ているのでしょうか。
新卒採用を担当する金澤さんに、学生一人ひとりの「やりたいこと」に向き合う採用の考え方や、選考で大切にしているポイントについて伺いました。
新卒採用で大切にしているスタンス:ミスマッチを防ぐ「情報開示」

Q. 沢井製薬の新卒採用で、最もこだわっていることを教えてください。
最もこだわっているのは、会社の情報を可能な限り開示した上で、ミスマッチがないように学生さん自身に選んでもらうことです。良い面だけでなく課題も含めてお伝えし、学生さんにもその両面を本音で話していただく。お互いにさらけ出し、本当に合うかどうかを一緒に見極めていきたいと考えています。
Q. 「情報開示」は、どのように実現していますか?
入社前にイメージしづらい生産系や信頼性保証の職種については、特に丁寧に情報を伝えています。仕事内容や働き方が分からないままだと、入社後のギャップにつながってしまうからです。
そのため採用サイトでは、約50名の先輩社員に協力してもらい、現場のリアルな声やオンとオフの働き方が伝わるコンテンツを制作しました。ここはかなりこだわりましたね。
また座談会でも、残業時間や組織の課題なども含めて、率直に話してもらうよう協力社員にお願いしています。ありのままを知ったうえで選んでもらいたい、という想いが根底にあります。

Q. 面接の場でも、同じ姿勢で臨んでいるのですか?
はい。緊張している学生さんにはできるだけリラックスしてもらい、ご自身の本来の強みや弱みを率直に伝えてもらいたいと考えています。その方が「沢井製薬で本当に活躍できるか」を一緒に考えることができます。
「ありのままの自分を受け入れてくれる会社こそが、一番活躍できる場所」——これは採用担当として、確信を持ってお伝えしたいことですね。
選考のプロセスと評価の観点

Q. 選考フローを教えてください。
沢井製薬の本選考は、書類選考・適性検査・面接という流れです。面接は、一次から最終まで複数回実施しており、「一次→最終」の場合もあれば、「一次→二次→最終」となる場合もあり、職種に応じて柔軟に設計しています。学生さんお一人に対して面接官が一名または複数名で、一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ることを大切にしています。
加えて、本選考の前にも自分に合うかどうかを判断できるよう、さまざまな機会を用意しています。
職種別セミナー(6月〜):先輩社員2名による説明と質疑応答。薬学部の実習スケジュールにも配慮した短時間開催(期間限定で録画配信あり)。
カジュアル面談:希望者に対して随時実施。
1day業務疑似体験:7月・8月・9月・11月・12月に開催。実際の業務で発生したテーマで体験ワークを行い、先輩社員からのフィードバックも受けられます。
通常業務があるにも関わらず、「新しい仲間を迎えたい」という想いに共感し協力してくれる社員が本当に多く、採用は会社全体で取り組んでいると感じます。
Q. 一次面接では、どのようなポイントを見ていますか?
職種ごとに「求める人物像」を3つずつ設定しており、まずはその適合性を確認するところから始めます。たとえば以下のような形です。
- 生産系職種:几帳面/真面目・巻き込み力・自主自律
- 信頼性保証職育成コース:論理的思考と発信力・オーガナイズ能力・状況適応力
そのうえで、一番聞きたいのは「これまでの人生でやり切った経験」です。部活動やアルバイト、学業、研究活動など、どんな内容でも構いません。そうした経験の中で培われた強みが、社会人としての土台になると考えているからです。
あわせて、「強みと弱み」も必ず聞きます。特に弱みについては、自己分析ができているか、どれだけ自分を客観視できているかを見ています。
Q. 二次面接以降になると、見るポイントは変わりますか?
共通しているのは「一緒に働きたいと思えるかどうか」です。二次面接以降では、エリアや配属先との相性も含めて、実際に活躍するイメージが描けるかを見ていきます。
ちなみに、面接の最後には時間があれば必ず「言い残したことはないですか?」とお聞きしています。学生さんが伝えたいことを全て話せたかを大切にしたいからです。「十分聞いてもらえました」と言ってもらえたら、お互いに誠実な面接ができたことが確認できます。その上で、お互いにマッチするかどうかを判断していきたいと考えています。

Q. 志望動機はどのように評価していますか?
「なによりも患者さんのために」という理念に本気で共感しているか、それを自分の手で実現したいと思っているかを見ています。
大事なのは、その言葉の奥にある「あなた自身のやりたいこと」と、私たちの理念がどこまで重なるかです。「学生さんがやりたいこと」と、それが「沢井製薬で叶えられること」が重なる、このマッチングを、非常に大切にしています。
Q. もし、他社の方が合っていると感じた場合はどうされますか?
正直にそのことをお伝えすることもあります。実際、お話していくとやりたいことがバイオや新薬メーカーがあっていそうだなと感じる時があります。その際には「新薬メーカーさんにも挑戦してみてはどうですか?」と率直にお伝えすることもありますよ。
Q. これまでの面接で、印象に残った学生さんはいますか?
面接の最後に「今日の面接のフィードバックをいただけますか?」と質問された学生さんがいました。なかなか勇気のいる質問ですよね。でも、次の機会に向けて少しでも修正しようとする姿勢が、心から「すごいな」と思いました。正直、私が就活生の頃は、そんな質問は思いつかなかったですね。

沢井製薬に「合う人」と「合わない人」——業界の変革期に求める人材像

Q. 沢井製薬に合いそうだなと感じる人はどんな人ですか?
医薬品業界は今、業界再編という、これまでにない大きな課題に直面しています。薬価が下がり続ける構造の中で、どう成長性のある事業を展開していくのか。簡単に答えが出る問いではありません。
だからこそ、「本気でこの国の医療課題を解決したい」と思える人と一緒に働きたいと考えています。そうした想いや目標、医療につながる原体験を持っている方は合いそうだなと感じます。
一つお伝えしたいのが、製薬企業は理系の会社と思われがちですが、実際、営業本部の半数以上は文系出身ですし、製造職でも文系の社員が多く活躍しています。当社は約700品目の製品を扱っており、薬学部出身であっても入社後に身に着ける必要がある知識やスキルがたくさんあります。文系・理系問わず、スタートラインは同じです。出発点の専門性よりも、「学ぼうとする姿勢」や「想い」こそが重要だと思っています。
Q. 逆に合わない可能性が高い学生さんの特徴はありますか?
正直にお話しすると、大きく2つのパターンがあります。
一つ目は、一つのことだけを突き詰めたい人です。繰り返しになりますが、約700品目の製品を扱っており、複数のプロジェクトが常に同時進行します。そのため、一つの専門領域をじっくり深掘りしたい方にとっては、理想的な環境とは言えません。逆に、いろんなことに興味を持って「次は何をやろう?」とワクワクできる方、異なる領域のアイデアを掛け合わせることに面白さを見出せる方はとても楽しめる環境だと思います。
二つ目は、英語力・ITスキルなど能力だけを推しポイントにする人です。英語力もITスキルも、もちろん素晴らしい能力です。ただ、それはあくまで「手段」です。重要なのは、その力を使って何を実現したいのか。ここが見えない場合、私たちは評価をすることができません。
これは社会人にとってもすごく大事なことで、私たち自身も日々「自分は何をやりたくてこの仕事をしているのか?」と立ち返るようにしています。だからこそ、「手段の目的化」に陥らず、自分の情熱や目的と結びつけて言語化できるかどうかを大切にしています。
「なによりも患者さんのために」——理念を軸にした3Fitの考え方

Q. テーマフィット・カルチャーフィット・スキルフィットの3つの中で、特に重視しているのはどこですか?
難しい質問ですが、最も重要になるのはテーマフィットだと思います。私たちが社会に対して提供しなければならない価値は、大きく3つあると考えています。
・医療費の抑制(社会保障への貢献)
・患者さん・医療関係者にとってのお困りごとを解決できる製品の提供
こうした価値を本気で実現していこうとすると、最終的に行き着くのが「なによりも患者さんのために」という理念への共感です。この理念にどれだけ共感し、自分ごととして捉えられるか——つまりテーマフィットを最も重視しています。そのうえで、カルチャーやスキルは後からつながってくるものだと考えています。
ハタチ世代へのアドバイス

Q. 大学1,2年生の皆さんに、キャリア形成や大学生活におけるアドバイスをお願いします。
学生のうちにしかできないことや、今やりたいと思うことに、思い切り向き合ってほしいですね。
好きなことや夢中になれることに時間を使っていると、自然と自分の価値観は形づくられていくものだと思います。就活を意識しすぎて「ガクチカを作るための大学生活」になってしまうと、どうしてもありきたりな経験になってしまう。だからこそ、まずは自分のやりたいことに素直に向き合ってほしいですね。
夢中で取り組んだ経験の中から、「自分は何を大切にしたいのか」という価値観が見えてくる。その感覚を大事にしてほしいと思います。
あとは、自己分析に時間をかけてほしい、というのが率直な思いです。自分と向き合うのって、なかなかしんどい作業だと思います。でも、それをやり切った人ほど「自分軸」を持った企業選びができると感じています。

最近はAIの活用も進んでいますが、ESの内容を「自分ごと」として語れない学生さんも増えている印象があります。文章としては簡潔にまとまっているのに、面接で「なぜこう考えたの?」と聞くと、自分の言葉で表現できないケースですね。
大切なのは順番だと思います。まず自分で考え、書いてみる。そこからAIで補完する。自己分析を飛ばしてしまうと、志望動機の軸が定まらず、どの会社でも同じような内容になってしまいます。
自己分析という土台があってこそ、AIは頼れる武器になる。ぜひ現代のツールを上手に使いながら、自分自身と向き合ってほしいですね。

編集後記
今回のインタビューを通して最も印象に残ったのは、金澤さんが一貫して「あなたのやりたいことはなんですか?」という問いに真剣に向き合い続けていたことでした。
英語力やITスキルといったスペックではなく、「あなたはその力で何をやりたいのか」。ジェネリック医薬品だからできることではなく、「なぜこの業界で、この会社で働きたいのか」。
沢井製薬の採用は、学生一人ひとりの「やりたいこと」に耳を傾け、その想いと会社の理念が重なるかどうかを一緒に探っていくプロセスなのだと感じました。
「なによりも患者さんのために」という理念のもと、情報を開示し、時には他社への挑戦さえ勧めるその姿勢からは、就活生に対するリスペクトが伝わってきます。
就活は、自分を取り繕う場ではなく、自分のやりたいことに向き合う時間です。この記事が、あなた自身の「やりたいこと」を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。
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