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コラム

コクヨの面接官が語る、評価する「ガクチカ」「志望動機」の共通点とは?

  2020.04.23

『さよなら、就活対策』

「貴重な4年間を“就活対策”で、消耗していませんか?」
誰も教えてくれない 「面接の裏側」 を紐解き、これからの大学生活を問い直す "面接官の告白" 

コクヨと言えば、「大手」「文具メーカー」そんなイメージがある方が多いのではないでしょうか?社会の変化とともに変貌をとげているコクヨ。現在の会社状況やその中で大切にされている価値観など、赤裸々に語っていただきました。

長年コクヨで新卒採用を担当する社員が語る、「エントリーシートや面接で評価する『ガクチカ』の共通点」「大学時代にやるべきこと」等、注目ポイント満載の内容となっています。これからの大学生活や就活におけるヒントにしていきましょう! 

会社プロフィール:コクヨは、「働く人・学ぶ人の知的活動の進化に資する価値の提供」を提供価値とし、 人生の1/3を占める「学ぶ」「働く」「暮らす」という行為を、より良くしている企業です。文房具を扱う「ステーショナリー事業」の他に、企業等のオフィスや学校施設などの空間を作る「ファニチャー事業」、学ぶ場・働く場で必要とされる商品の通販を行う「通販・小売事業」を展開しています。
面接官 山本浩貴さん:2010年コクヨ(株)へ入社。ファニチャー事業部・関西営業部に配属され、6年間大手法人向け営業を担当。その傍ら、国家資格キャリアコンサルタントを取得。自ら手を挙げ続け、2016年より人事総務部 採用育成グループへ異動。現在は、HR部の新卒採用担当を担っている。

 

面接官として大切していること

Q. 就活の仕組みも変化する中、面接官として何を大切にしていますか?

「いいこと」と「よくないこと」を切り分けて正しく伝えることです。

説明会やインターンって「キラキラした部分」を伝えがちですが、弊社では「泥臭い部分」も伝えた上で、最終的に入社への意思決定は “就活生自身に「決断」してもらう” というスタンスを貫いています。

面接においても、基本的にはカジュアルにお話ししたいです。企業側がマウントとるような面接はやってはいけないと思っているので、深堀りをしてお互いが素でいられる場をつくれるようにしています。

表面的な話には興味がないので、「語ってくれた2つのエピソードで言っていることが矛盾してるけど、本当はどう考えているの?」と聞くこともあります(笑)

最終的には、「それはうち合っているかもね」その上で「他も見た方がいいのでは?」という話までできることが理想ですね。

 

インターンって、参加する意味ある?

Q. 昨今インターンが乱立していますが、インターンの参加有無によって、選考の優位性はうまれますか?

選考の優位性はないです。人と企業によって有利不利の捉え方が変わると思っています。

インターンへの参加は、企業についてよく知ることができるので「選考に有利では?」とよく言いますが、それを気にしてインターンに参加する価値は一切ないと思っています。大切なのは、「なんの為にインターンに参加し、何を持ち帰るのか」という目標を設定できるかどうかだと思います。

―インターンに闇雲に参加しても価値がないということですね

選考直結のインターンは別ですけどね。ただし、その場合も「内定」というキーワードに踊らされず、自分がどのタイミングで納得して就活を終えられそうかがはっきりしていない段階でインターンに参加しても正直意味はないと思います。

   

Q. コクヨでどんな目的でインターンを開催していますか?

インターンはそもそもコクヨという会社の正しい姿を広く理解してもらうことが目的です。サマーインターンは、1日かけて就活に向けて役立つマインドセットとコクヨのことを知るワークを2つやっています。 

マインドセットと聞くと割と慈善活動っぽく聞こえてしまうのですが、弊社では大切にしている部分です。特に“人生100年時代” “社会変化”と向き合っていただいています。

コクヨは世の中的に“大手で安泰”とか、“一社勤め上げ”というイメージがあると思うのですが、「取り巻く社会変化が激しいからこそ、本気のチャレンジをしたいと考えている」ということを感じてもらう機会として設けています。

会社がおかれている状況理解については説明会や冬の段階でも丁寧に伝えていますが、夏のインターンシップだからこそ、より時間をかけて、かつワークを通じて体感していただいています。

 

ガクチカでは、その人の"アレ"を評価

Q. 多くのエントリーシートをどのような観点で評価していますか?

うちのエントリーシートはシンプルで「学生時代の最大の挑戦はなんですか?」ということを聞いています。

その解答として「大学受験」「高校の文化祭」と書かれると結構きついですね。これは、大学の知名度などに関係なく、共通して感じています。

「自分の将来を決める意思決定をはじめてした経験でした。そのために勉強を死ぬ気で頑張りました。」に対して確かに努力量は素晴らしいものだとは感じるのですが…「そこでチャレンジが終わっている(=就活までの大学3年間という時間を、自分や仲間に投資できていない)のかな?」と感じてしまいます。「ネクストチャレンジはなかったのかな?」と…

弊社としては「自分に対し、どんな時間的/労力的な投資を行ってきたか?」「何をできるようになったか?」「どういう壁に対して、どんな想いでぶち当たっていったのか?」ということを知りたいと考えています。

 

Q. 面接の「ガクチカ」については、御社ではどのようなポイントを注力して評価していますか?

事象は問いません。部活で国体に挑戦でも、2部リーグから1部に向かって頑張ることでもなんでもいい。 裏を返すと事象自体は、差別化することは難しく、留学、アルバイト、部活・・・みんな同じことを書いているんです。 

だからこそ、置かれた環境の中で、自分がどれだけ努力して、 自分のできることや関わる世界が広がってきたかを聞いています。その中で、その人が自身に課す“ハードルの高さ”を見極めています。

何をハードルととるかによって、会社の環境と合うか合わないかが分かるからです。

例えば、現在の弊社のおかれた環境では、どの事業でも変革が必要です。つまり、「個人としての意思」を問われます。それに対して、「自分の意思よりも、誰かに与えられたテーマのほうが活動しやすい…」というのであれば、正直合わないというか、本人が何よりも入社してから苦しんでしまうと思います。

 

Q. 具体的に、過去どのような経験を評価したのですか?

大学での「学問」と「スポーツ」の両立を、自分の意思で考えて行動する就活生を評価しました。

その学生は大学ではデザイン領域をやりたいと決めていました。しかし、既にデザインを学んでいる人と比べると、自分の武器は「形を表現する」というデザインする力ではない。

だからこそ、デザイン的な思考をして「ディレクションできる人」になろうと決意して、その目標に向かって大学を選び、大学内の活動を頑張っている。

また、幼少期から頑張ってきたスポーツも「毎朝2時間程往復して、練習を積み上げればプロの道も目指せるかもしれない・・」 と捨てられず努力を続け、実績も残している。最終的には、自分の基準をもってプロになることをあきらめ、デザイン領域の道へ進むことを意思決定していました。

評価としては、その学生の実績ではなく、「自分で考えて意思決定をし、成果を出すための努力ができる」というポイントを評価しました。その、“意思決定力”は「自分もかなわないな…」と思いましたね。

 

志望動機の評価基準は"愛"ではない

Q. 就活において「志望動機」って必要だと思いますか?

難しい問いですね(苦笑)。なぜ志望してくれているか、という背景は気になりますが、志望度が高いから合格になる…ということは一般的に少ないのではないでしょうか。 僕が就活生だったときは、志望動機は企業へ愛情を伝えるものだと言われた印象です。 

そのときは疑わずに書いていましたけど、採用側の立場になってみたら愛を伝えるだけでは価値がないなって正直思っています。

少しドライに聞こえてしまうかもしれませんが、企業活動には、ヒューマンリソース(人的資源)という言葉があるように、企業に属するにあたって価値貢献が求められますからね。

文具や家具好きだからという志望動機に対しては、懐疑的な目線で面接ではお聞きしています。文具に関わるものって幅広いですよね。生産、企画、営業と色々ある。 様々な職種の中で、どういう関わり方働き方生き方をしたいからコクヨがいいと思っているのか?というレベルまで聞くことを心がけていますね。

Q. 「志望動機」について、どのようなポイントを評価していますか?

働く価値観を聞きます。 「社会人としてスタートダッシュを切るために、○○を大切にして働きたい!」そんな話を聞きたいですね。

「他社との差別化ポイントは○○で、コクヨの××の部分に惹かれて・・」と書かれていても、あまり感情は動かないですね。「それが自分にとってなぜいいのか?」というところまで踏み込んで書いてくれたらいいなと思います。

 

ハタチ世代に伝えたいこと

Q. 就活に向けて、学生時代にやっておくべきことは? 

「何のために大学に通っているのか?」を立ち返りながら生活してほしいと思います。 私の場合、自由な時間を買いにきたんだなと思って大学生活を過ごしていました。こんなことを言うと、大学関係者の方から怒られてしまいそうですが…あくまで当時の私の価値観としてご容赦ください(笑)。

制約なく自由に世の中に関われる貴重な時間を使って、自分の外側へ出てやり切る。

大学生活を社会に出るまでの準備したとき、自分の領域から出るということをしてみるといいと思います。特に大学1年生、2年生から、目的意識を持ってやりきる経験ができるといいですね!

 

編集後記

本音ベースで向き合うことを大切にしている山本さんのお話をお伺いしながら、改めて「小手先のテクニック論」は通用しないと感じました。

就活対策と題してマニュアル本やノウハウが溢れていますが、本質的な就活準備は、4年間という自由な時間において、「流されずに、自分なりの意思決定を続け、どれだけ変化したか?」という“大学生活の積み重ね”がシンプルに問われていると実感しました。

ぜひ、自分らしいキャリアをつくる新しい経験を!

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