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『さよなら就活対策』
誰も教えてくれない面接の裏側を紐解き、これからの大学生活を問い直す面接官の告白。
今回インタビューしたのは、『住まいの「もつ」を自由に。「かえる」を何度でも。』を企業ビジョンに掲げ、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」を提供する株式会社ツクルバ。同社で採用統括部長として活躍する佐藤さんにお話を伺いました。
「そもそも採用って何のために行うのか?」という問いから紐解かれる、ツクルバならではの採用活動のリアルをお届けします。大学生活をどう過ごすか、これからの就活をどう捉えるか、ぜひ参考にしてみてください。
ツクルバ|新卒採用のこだわりとは
Q. ツクルバの選考フローと新卒採用のこだわりを教えてください。
「評価をする企業と評価される学生」ではなく、「人と人」として接し、ツクルバで働くことがお互いにとってベストな選択なのかを選考プロセスの中で一緒に考えることです。面接の中では、「あなたが人生を通じて実現したいことを一緒に言語化しよう」というスタンスで向き合っています。
選考フローは説明会・カジュアル面談→一次面接・二次面接(オンライン)→三次面接(対面)→最終面接(対面)という流れですが、二次面接を終えた学生には、リクルーターによる伴走支援を行っています。選考ではない面談や現場社員と話せる交流会を設けており、学生の状況によっては3〜4回もしくはそれ以上の面談を行うこともあります。
長く活躍し続けていただくために、働く上での良いところと悪いところをリアルに知ってもらった上で入社を決めてほしいと思っています。
選考での評価ポイント "STO"
Q.面接で評価するポイントは何ですか?
「素直さ」「チームワーク」「オーナーシップ」の3つのスタンスがあるかどうかをみています。社内では頭文字をとって「STO」と呼んでいます。
素直さ=自己変容力があるか?
Q. STO…初めて聞きました!STOのスタンスについて、具体的にはそれぞれどんなことが求められますか?
まず「素直さ」は、過去の成功体験や固定観念にとらわれず、変化に対応できる自己変容力とも言えます。ベンチャーでは特に、市場や会社がどんどん成長するため、個人も常に新しい変化を求めて成長していく必要があります。
せっかくの成長機会を「過去の成功体験」や「自分はこういう人間だから」といった自分自身の偏ったこだわりで逃してしまうのはもったいないです。
だからこそ、過去の自分をアップデートしていくことを恐れず、多様な価値観を素直に取り入れながら自分を変えていける人物かを重視しています。
オーナーシップ|組織への貢献とは?
Q.「オーナーシップ」について具体的に教えてください。
ツクルバが求める「オーナーシップ」は主体的に行動するだけでなく、ビジョンの実現や組織への貢献を意識した姿勢です。具体的には、「Why(なぜやるのか)」「What(何をやるのか)」「How(どのようにやるのか)」の3つの観点から評価します。
まず、「Why」にあたる「学生自身が描く将来ビジョン・人生テーマ」の方向性が、ツクルバのビジョンとマッチしているかを重視しています。個人と企業の価値観がシンクロしていれば、一人ひとりのこだわりが会社成長に直結すると考えているからです。
また、正解がない環境で、お客様にとってより良い価値を提供するために、自ら現状の課題を発見し、改善策を提案・実行していく、「How」と「What」の主体性が求められます。変化の激しいベンチャー企業であるため、新しい技術や手法を積極的に学び、自分のスキルをアップデートしていく姿勢も重要です。
チームワークの重要性
チームワークでいうと、組織全体への貢献を意識した上で、周囲と協力し成果を上げていく姿勢を重視しています。ツクルバは、大きなビジョンに向かって、チームで協力しながら事業を成長させていく環境です。少ないリソースで大きなことを成し遂げるためには、必須の価値観と考えています。
よくあるお見送り例
Q.よくあるお見送り例があれば教えてください。
1つ目が「成長の方向性」が異なる場合、2つ目が「自分で責任を持って意思決定できない」場合です。
1.利他性と成長の両立を目指しているか?
Q.成長できる環境があるから入りたい!という学生も多いと思いますが、成長の方向性の違いについて詳しくお聞かせください。
本人が大切にしたい「成長」と、ツクルバが提供できる「成長機会」の方向性がマッチしているか、ということを重視しています。いくら優秀な学生でも、とにかく「入社してすぐ新規事業を立ち上げたい」や「事業責任者になりたい」といった個人だけの成長にフォーカスを当てている方とは残念ながら合いません。
ツクルバでは、入社してまず営業を経験し、営業部署を中心にキャリアを積んでいくことが多いです。顧客志向・チーム志向といった利他性を大切にしているからこそ、「お客様への価値提供を大切にしたい」や「メンバーに向き合い、より大きな組織をまとめていきたい」など、人と向き合い、自分だけの成長ではなく社会や誰かのために成長したい方とすごくマッチすると思っています。
2. 本心に従った意思決定か?
2つ目は、「自分の本心に素直に意思決定ができるか?」です。
本心に素直かどうか、って面接の中で就活の意思決定プロセスを聞いていると結構わかるんです。就活は友人・インターネットなど色んな角度から情報が入ってくるため、誰かの正解が自分の正解になりがちです。周りの声に流されず、責任を持って自分なりに決断できるかどうかが、入社後にオーナーシップを強く持って仕事に向き合えるかどうかに直結すると考えています。
家族や周りからどう見えるかを意識するあまり、自分の本心に蓋をしてしまう学生は残念ながらお見送りとさせていただくことが多いです。
ツクルバ|3つのフィット
Q. 採用において、テーマ・カルチャー・スキルの3つのFITの切り口で、それぞれどんなことを大切にしていますか?
※3つのFITとは:学生と企業、双方にとって納得感のある採用を実現するための自己分析のフレーム。ハタチのトビラでは、学生のマイテーマと企業のテーマ(理念)が合致するテーマフィット、学生の価値観と企業のカルチャーが合致するカルチャーフィット、学生の強みと企業の求める人材要件が合致するスキルフィットの3つが合うことが最適なマッチングであると考えています。
先程も少し触れましたが、「人生を通じてやっていきたいこと」や「大切にしたい価値観」と、ツクルバのビジョンとの重なりを自分なりに言語化できるかどうかを確認します。
ツクルバは『住まいの「もつ」を自由に。「かえる」を何度でも。』というビジョンの実現を目指しています。「本当にやりたいことってなんだろう?」という対話を通じて、その方がどんな選択をすればやりたいことが叶えられるか、果たしてツクルバで叶えられるのかを一緒に探っていきます。
テーマフィットでいうと、「人の選択肢を広げたい」や「日常生活に不便がある人に寄り添い課題を解決したい」など高い抽象度のレベルでも「人と向き合う姿勢」が重なっているかを聞いています。
目先の内定獲得に目が向いてしまい、無意識にツクルバのビジョンと個人の価値観を繋げようとする方もいらっしゃいますが、すぐにわかってしまいます。学生側も企業側も入社がゴールではないので、両者の価値観を正直に共有してすり合わせるべきだと考えます。
学生も気づいていない「本心」や「本当にやりたいこと」を引き出すのも面接官の役割だと考えているので、面接や面談を通じて目の前の学生の人生にとことん向き合っています。
ハタチ世代へのメッセージ
Q.最後に、ハタチ世代に向けてメッセージをお願いします。
大学生活では、何でもいいので一つ熱中できるものを見つけてください。その経験を通して、自分が大切にしたい価値観を見出し、将来のビジョンを明確にすることができます。
やりたいことがたくさんある人は、直感的に惹かれるものに挑戦してみてください。例えば、興味のある分野のサークルやボランティア活動に参加したり、研究活動に没頭してみるのも良いですね。
やりたいことがない人は、何でもいいので一つ決めて、やりたいと思い込んで行動してみてください。やりたいことを探すのに時間をかけるのではなく、とにかくまずは行動するのが大切です。
あとは、長期インターンシップを経験することもおすすめしたいです。「企業で働く」をリアルに経験することで、将来働くことを通じて自分が何をしたいのか、どういう環境で、どんな人と働きたいか、より解像度の高い状態で就活にも臨めると思います。
編集後記
正解は一つではない社会で、世の中も、企業も、私たち自身も、変化していく。
だからこそ、自分で選択肢を並べ、選びとっていける仲間と共に未来をつくっていきたい。
採用は、ともに未来をつくる仲間探しであることをツクルバ人事、佐藤さんの言葉から改めて感じました。
人生の舵を、自分で取れていますか?
親でも世間の声でもなく、あなたが本当に選び取りたい未来ってなんだろう?
あなたらしい未来は、自分でつくっていくことができる。
自分らしいファーストキャリアを描くきっかけにしてみてください。