会社の枠に囚われない「自分らしい生き方」って?LGBT当事者が語る「自分らしさ」の見つけ方
マイテーマ「自分らしく生きるには?」を掲げ、金融業界でライフプランナーとして働く傍らNPO法人での活動も行う中村俊介さん。
大学時代はアナウンサー志望で、1社目は教育業界大手の企業に入社した中村さんは、現在の「自分らしい生き方」に至るまでどんなキャリアを歩んできたのでしょうか?
中村さんご自身のお話にとどまらず、「自分らしさ」やキャリアに悩むハタチへ、自分の生き方を探すヒントやメッセージを語ってくださいました。
「『自分らしさ』を考えてみよう!」動画視聴のポイント
- 「自分らしく生きるためのコツって?」
- 「そもそも、LGBTって何?」
- 「学生時代にやるべきことは?」
といったポイントを意識しながら、中村さんのプレゼンを視聴してみましょう!
アナウンサー志望からBenesseに就職、そして転職を決めた背景(0:14~)
大学時代はアナウンサーを本気で目指し、アナウンス研究会にも所属していたという中村さんですが、都内の大手テレビ局、いわゆるキー局と呼ばれる企業全ての選考に落ちしまったそうです。
その後、教育業界のトップランナーであるBenesseの“ゆりかごから墓場まで、人々の「よく生きる」を支援したい」”という思いに惹かれたことから就職が決まり、主にマーケティングのお仕事をされていました。
5年ほどBenesseで働く中で、多くの人を対象に情報を届けることで「“間接的”に人に携わる」よりも、「 “直接的”に人の支援に関わりたい」と感じるようになったことから、一人ひとりに寄り沿い一緒に人生を考えるライフプランナーとして金融業界への転職を決意したそうです。
会社の枠に囚われない「自分らしい生き方」とは?(1:40~)
中村さんは、ライフプランナーとして現在金融会社に勤めるだけでなく、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)が自分の性的指向を公表するサポートを行うNPO法人バブリングでの活動もされています。
その背景には、会社という枠に囚われるのではなく、「自由に自分らしく人生を歩む、そして歩める人を増やしたい」というご自身のビジョンを実現するために様々な活動をしたいといった想いがあったそうです。
NPO法人バブリングのスローガンは「世界を“打ち明けられる”でつくりたい」というもの。
目に見えない生きづらさを抱える人達のカミングアウトを応援することで、その人自身、またその周りの人達もが「自分らしく」いられる社会を目指しています。
突然のクイズ!世の中の“マイノリティ”の捉え方(3:07~)
皆さんは“マイノリティ”という言葉を聞いてどんな人達のことを思い浮かべますか?
中村さんから突如出された“マイノリティ”クイズ。
実は、「セクシュアルマイノリティ 」「吃音症患」「児童養護施設出身者」「発達障害者」「148㎝以下の成人女性」「AB型」「左利き」これら全ての人々は10%未満のマイノリティなんです。
LGBT人口はおよそ13人に1人。この割合はAB型や左利きの人口とほぼ同じと言われています。
思ったよりも身近に存在しているのにその事実に気づきにくいのは、彼らが目に見えない生きづらさを感じている証拠かもしれません。
マイノリティとして思うこと(3:52〜)
実は中村さんご自身も、LGBT=セクシュアルマイノリティの当事者。
中村さんは2年ほどかけて大切な人たちへのカミングアウトを進め、現在はオープンな状態だそう。しかし、ほとんどの人達は未だカミングアウトが難しいのが現状です。
セクシュアルマイノリティに限らず、気軽に「ご両親はお仕事何されてるの?」と聞いた一言で、ひとり親家庭で育った友達が傷ついてしまう可能性も考えられますよね。
中村さんの考えるマイテーマの探し方(4:40~)
自分の“当たり前”が友達を傷つけているかもしれない。この考え方が、中村さんの現在のマイテーマ「自分らしく生きるには?」に繋がっているそうです。
マイテーマ=自分の存在意義は、必ずしもポジティブなものから生まれなくても良い、と中村さんは語ります。自分が楽しいと感じることや将来やりたいことがわからないと思う方は、自分が「辛いな」「おかしいな」と感じた問題意識からマイテーマを考えてみるのも一つの方法かもしれませんね!
“ダイバーシティ”は受け入れるべきものではなく、既にそこに存在しているものです。それぞれの存在を認め合い、お互いがよりよく活かし合えるような世界を目指し、中村さんの活動は続きます。
ハタチの自分へ。中村さんが伝えたいメッセージ(5:45~)
ハタチの頃の中村さん自身、そして今ハタチである皆さんへのメッセージは「自分を好きになれるような自信をつけてほしい」です。
当時アナウンサーを目指していた中村さんですが、もともとは自分の声をコンプレックスに感じていたとか。そこで自ら人前に出る機会を増やし、コンプレックスをどんどん克服して自信をつけていったそうです。
自分が単純に好きだったり、人より向いているかもと思ったり、何でもよいので自分が“これ”と思えるものを探究していくこと。それが、もしかしたら今後の人生の礎となる“何か”になるのかもしれません。
ハタチのトビラ編集部より
将来を考えるとき「強みがわからない」「自分らしさがみえない」等、ネガティブなサイクルに陥るときが誰しも一度はあるかもしません。
ただ、中村さんのように自分の感じる辛さや問題意識からやりたい事や方向性を見つけ、それを武器に活躍している社会人は、そんな悩みを解決させる一つの大きなヒントになると感じました。
「ちょっとポジティブに考えにくいな」そんな時は、ふと「辛いな」「おかしいな」と思った社会の仕組みを改めて考えてみることで、今までの自分になかった新しい視点をみつけてみてはいかがでしょうか?