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『さよなら、就活対策』
「貴重な4年間を“就活対策”で、消耗していませんか?」
誰も教えてくれない 「面接の裏側」 を紐解き、これからの大学生活を問い直す "面接官の告白"。
今回は、ホテル業界の株式会社リロバケーションズ様に、"面接の裏側"や"採用のポイント"などをリアルに語っていただきました。
これからの大学生活や就活におけるヒントにしていきましょう!
ホテル業界の人事直伝!採用カギはカルチャーマッチ
Q. 就活の仕組みも変化する中、どんなことにこだわって新卒採⽤の採⽤を進めていますか︖
“カルチャーマッチしている学生を採用すること”にこだわって採用活動しています。
具体的には、現場志向があり、地方創生に関心を持つ学生や、観光業界を良くしたいという熱い志を持つ学生がカルチャーマッチしていると考えています。
カルチャーマッチしている学生を採用するために、“働くリアルを訴求する”ことと、“学生の本音を引き出す”ことを大切にしています。
カルチャーマッチの図り方① 働くリアルを訴求する
Q. “働くリアルを訴求する”とは、具体的に何をされているのでしょうか?
例えば選考前の企業説明会で、泥臭い部分を含めて“働く現場”を説明しています。きらびやかな部分だけでない裏側を伝えて、学生側とのギャップを埋めることが重要と考えています。
活躍する弊社社員の1日に密着した動画もぜひ学生にみてもらいたいですね
ホテル再生というと、どうしてもコンサルタントのような立ち位置で東京で働いている印象を与えてしまいます。しかし、実際はホテルの現場で、板前さんや、アルバイトスタッフを含めたメンバーと共にオペレーションを回しながら現場を改善します。
“ホテル”でイメージする華やかな部分だけでなく、実際の泥臭い部分も含めて学生に理解してもらえるよう、現場のリアルを伝えていきたいと思っています。
【ホテル業界】地方ホテル・旅館を再生するホテル支配人の仕事とは?_ #前編
【ホテル業界】地方ホテル・旅館の再生事業の裏側に密着!(株)リロバケーションズ_中編
【ホテル業界】ホテル支配人という仕事のやりがい(株)リロバケーションズ_後編
カルチャーマッチの図り方② 学生の本音を引き出す
Q. “学生の本音を引き出す”ために、具体的にされていることはありますか?
選考で人事による選考対策面談を複数回実施しています。面談では、キャリアアドバイザーのような立ち位置で、本人のやりたいことや志向性、これまでやってきた経験などを踏まえて、学生の本音から生まれる志望動機を一緒に言語化していくこともあります。
Q. 志望動機を一緒に言語化する…!まさに「育てる採用」ですね。これまで、印象に残った選考対策面談のエピソードはありますか?
ある学生は、「ホテルで働きたい」という思いを持っていましたが、面接の中でうまく伝えられずにいました。そこで選考対策面談の中で、「なぜホテルで働きたいのか?」を一緒に掘り下げ、“修学旅行や家族旅行など、これまでのホテルでの実体験”に辿り着きました。これまでの経験を踏まえた志望動機を見つけたことで、熱意を持って面接官に伝えることができ、無事に合格できました。
面接の評価ポイントとは?
Q. 御社の面接での評価ポイントについて教えてください。
選考の段階によって評価するポイントは異なります。弊社の選考フローは、説明会・一次面接・二次面接・最終面接で、途中に座談会や人事面談が入る場合があります。
説明会と一次面接では“第一印象”、二次面接以降は、“伸びしろ”や“ストレス耐性”、“コミュニケーション能力”に注目しています。
説明会と一次面接は “第一印象” が大切!
Q. “第一印象”は具体的にどんな点に注目していますか?
面接官に「大丈夫?」と思わせないような、相手に気を遣わせない姿勢があるかどうかを見ています。実際に現場で働く際に、お客様を不安にさせない対応や印象を与えられる人物かどうかが重要です。また、オンライン面接の場合、部屋が暗いのも要注意です。人柄も暗く見える可能性があります。
二次面接以降は “伸びしろ” や “コミュニケーション能力”
Q. 二次面接や最終面接では、 “伸びしろ” や “ストレス耐性”、 “コミュニケーション能力”を評価するとのことですが、それぞれ具体的なポイントを教えてください。
“伸びしろ”は、上司、先輩の指摘や指示に対して、素直に受け止める姿勢があるかどうかを見ています。例えば、メモをとる学生や、一次面接でアドバイスしたことを二次面接までに行動に移してくる学生には成長意欲を感じられますね。どれだけアドバイスを吸収し、それを実際に行動に移すかが重要です。
“ストレス耐性”では、入社後は地方のホテルで働くことになるので、その環境を楽しめる人物かどうか注目しています。また、学生には「実家から離れて不安はないか?」「全国勤務について心配ないか?」などコミュニケーションをとり、配属後のギャップがないように丁寧に確認を取るようにしています。
最後の“コミュニケーション能力”は、面接官と会話のキャッチボールができているかを見ています。志望動機を丸暗記して話すのではなく、学生自身の中でエピソードを掘り下げて、納得感を持って伝えられているかが大切です。
面接で話すのが苦手な学生には、「スマホで録音しながら、1分間で話す練習をするといい」とアドバイスしています。話すテーマは、今日あった出来事や好きなアイドルのことなどなんでも良く、自分の話し方をチェックして、繰り返し練習することが大切です。ぜひ、皆さんにも試してみてほしいと思います。
選考では“学生の行動に移す姿勢”に注目!
Q. 具体的に、過去どのような学⽣を評価しましたか?
“行動に移している学生”が印象に残ります。例えば、アルバイトでPDCAを回したエピソードなど具体的な経験を語れる学生や、面談で伝えたアドバイスを次の面談までに実践してくる学生などですね。
Q. 行動力を高く評価した学生の印象的なエピソードはありますか?
選考を受ける前にリロバケーションズのホテルを見学してきた学生が印象に残っています。
大学のゼミで“ホテル再生”のテーマで取り組んでいて、リロバケーションズの事業を知った学生が選考前に実際に箱根のホテルを見学していました。大学の学びからの一貫性があり、実際に足を運んで体験した点に説得力を感じました。その学生は現在、ユニットマネージャーとして活躍しています。
今からできる就活準備
Q. 今からできる就活準備はありますか︖
「私、ガクチカがないです」という学生には「アルバイト先で徹底的にPDCAを回してください」とお伝えしています。例えば、アルバイト先の店長に「昨年度の12月の売上教えてください!」「今年は、昨年度の120%を目指したいです!」と宣言してみてください。そして、PDCAを回してみる。その経験ができれば自分に自信がつきます。そして組織を動かせる人材になれると思いますので試してみてください。
「やりたいことや就活の軸がわかりません」という学生に対しては、「合同企業説明会に1日中参加して10社の話を聞いてください」とお伝えしています。企業名は見ずにとにかく、元気のあるブースに座って1日10社企業の話を聞いてください。そして、10社の中から気になった会社の共通点をまとめてください。そうすると自分の軸が見つかってきます。そこからは、なぜその点に惹かれたかを掘り下げて考えることで就活軸が固まってくると思います。
ハタチ世代へのアドバイス
Q. 最後に、就活が本格化する前に⼤学⽣活でやるべきことはなんでしょうか︖
私自身が大学時代に戻ったらやりたいことは3つあります。
1つ目は、世界中の国にバックパッカーで旅行をすること。20代で日本以外の多様な価値観に触れることが重要だと感じています。
2つ目は、会社経営をすること。これは、主体性を鍛えるという意味で、リスクが少なく、たくさん失敗できる学生のうちに、色々なチャレンジをしてほしいですね。
最後は、投資をすること。学生時代からお金について学ぶべきだと感じています。
世の中のお金の仕組みや、投資については日本教育では、お金のことは教えてくれないですからね。投資は早ければ早いほど良いと思うので、学生の皆さんもまずは新NISAから勉強していくといいと思います。
編集後記
”ホテルで働く”というと、どうしてもきらびやかなイメージを想像してしまうもの。そんな中、採用では学生と企業の“カルチャーマッチ”を軸に学生と真摯に向き合い、飾ることなく現場のリアルを伝えようとする小林さんの姿が印象的でした。
また、実際の選考の中では、学生がアドバイスをどれだけ受け止め、それをもとに実際に“行動に移しているか”に注目していると語ってくださいました。
面談時にメモを取ることや、アルバイトでPDCAを回してみるといったことなど、身近なところから主体的に行動できるかどうかは、就活のみならず、社会に出たときにも必要です。
「ガクチカが見つからない…」という学生さんも、ぜひ小さなところから、まずは“主体的に行動してみる”ことを始めてはいかがでしょうか?