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マイテーマが変えた学生生活──“探究&アクション”の繰り返しで見つけた「人生を楽しむコツ」

  2021.07.12

毎月20日に開催している「ハタチのトビラ」では、参加者の皆さんに「マイテーマ」を考えてもらっています。自分自身を振り返り、来月探究するマイテーマを決めて、アクションする。その一連の行動を習慣化した先輩たちは、どんな学生生活を過ごし、どのように就職活動を進めてきたのでしょうか?

今回は、学生時代にハタチのトビラに10回ご参加いただき、現在はWeb系企業へ就職したほしかなさんにお話を伺います。

ハタチのトビラで変わった、社会人のイメージ

──マイテーマに出会ったきっかけを教えてください。

所属している学生団体で「高い目標を持つことが吉とされる」文化の中で、悶々とすることがあって…そんな時にインスタでハタチのトビラのイベントをみました。

暖色の灯りの部屋に学生が集まってのんびり話をしていて。ここに行けば語り合えそうだな、と思って参加してみたのがきっかけです。

最初に参加した2019年2月から気が付いたら、10回ぐらい参加していました(笑)

 

──特に印象に残っている回はありますか?

初回でお話を聞いた社会人の中村俊介さんは、すごくユニークな方だったので印象に残っています。

中村さんはライフプランナーの仕事をしつつ、NPOの経営をしている方で、週末はNPO関連でバーやラジオの仕事もしている人です。「夢であるアナウンサーにはなれなかった」と仰っていましたが、自分が好きだったアナウンスの仕事も続けていると聞いて驚きました。

それまで私が社会人に対して抱いていたイメージと言えば、「毎朝会社に行って、夜遅く帰ってくる」だけ(笑)。就職するとは、何かを諦めることだとすら思っていたかもしれません。

でも中村さんは、自分の夢を全く諦めることなく、さまざまな仕事にチャレンジしていました。型にはまらない生き方を知って、「こんな社会人もありなんだ!」と、世界が広がりましたね。

 

毎月のように変わるマイテーマが、大学生活の指針に

──ハタチのトビラでは、ご自身の「マイテーマ」について考える時間もありました。

私はハマるものがコロコロ変わるので、参加するたびにマイテーマが変わるんです。自分の内面の変化を客観的に知れたのは、すごく面白かったですね。

マイテーマの取り組みやすいところも好きでした。マイテーマはあくまで「今月探究したいテーマ」であって、「達成しなければならない目標」ではありません。これなら続けられそうだなと思いました。

 

──もしよかったら、過去に立てたマイテーマを教えていただけますか?

初回のマイテーマは、「わくわくさんでいることでありがとうをつくるには?」にしました。

当時の私は、大学生のインタビュー記事を書くインターンをしていて、それがすごく楽しかったんです。他には、新歓の計画を立てたり、東海オンエアのユーチューブ動画にもはまっていて。

そんな話をハタチのトビラの参加者にしたら、「すごく楽しそうだね」って言ってもらえたんです。これからもワクワクし続けたいし、せっかくなら周りにもいい影響を与えたいと思って、このマイテーマに決めました。

 

──ハタチのトビラの参加者と話したことによって、マイテーマが見つかったのですね。その後、普段の生活で何か変化はありましたか?

ありました! 例えば新歓の活動では、「ワクワク」というキーワードが自分の中にあったので、「ワクワクできる要素を織り込むためにはどうしたらいいか?」と考えながら企画を立てられました。もしマイテーマを立てていなかったら、特に何も挑戦することなく進めてしまっていたと思います。

 

コロナ禍の辛い時期も、プラスに変えられた理由

──素晴らしいですね。その後、マイテーマはどのように変わっていくのでしょう?

毎回変わるのですが、2020年7月は「苦手でもコツコツ進むには?」にしました。

このときは大学のオンライン授業の課題が多かったり、楽しみにしていたアイドルのライブに行けなくなったりして、結構辛い時期だったんです。でもその一方で、家でYoutubeを見るようになり、人生で初めてアニメにもハマりました。

そんな出来事を振り返るうちに、「嫌なことや辛いことがあっても、毎日をそれなりに楽しむ方法ってあるんだな」と気づいて、もっとその方法を探究したいと思ってマイテーマを決めました。

 

──コロナ禍で辛かった時期、マイテーマはどのように役立ちましたか?

オンライン授業自体は得意にはなれませんでしたが、「苦手でもコツコツ頑張ればいいんだ」と思っていたので、落ち込まずにいられました。

それから、私はもともと「一日中ゴロゴロしながらアニメ見るのは良くない」って勝手に思ってたんですけど、マイテーマを決めてから改めてやってみたら、やっぱりすごい楽しいし、元気をもらえてるなと思って。だらっと過ごすのも全然いいんだっていう発見がありましたね。

 

──自分の新たな一面を知れたのですね?

そうです! 振り返ってみると、ハタチのトビラは「人生を楽しむコツ」を感じ取れる場所でした。

私の所属していた学生団体には絶対にいないような大学生が、ハタチのトビラにはいっぱいて。普段あまり接点のない学生同士だからこそ、ぶっちゃけた話ができたんだと思います。発言を否定されることもほとんどありませんでした。参加するたびに自己肯定感が高まって、いつもさっぱりした気持ちで帰れていましたね。

 

心から楽しめる仕事に出会えたのも、マイテーマのおかげ

──就職後のお話についても聞かせてください。現在はどのような仕事をしているのでしょうか。

Web業界の企業で、クライアントのECサイトや記事コンテンツを運用する仕事をしています。

 

──働き始めてみていかがですか?

かなり自分に合ってると思います。一生懸命書いた記事がトラブルなく公開されたの見ると、本当に嬉しいですね。

「つくったものを発表する」という作業は自分のユーチューブでもできますが、仕事だとより多くの人に見てもらえるので、一人でやるよりも質の高い経験を積めていると思います。

 

──その会社とはどのように出会ったのですか?

知人の紹介です。その人は私が普段どんな活動をしているかを知っていて、「ほしかなに合うのはこんな会社じゃない?」と勧めてくれたんです。

それで、改めてマイテーマを見てみると、自分はやっぱり表現することが好きなんだと気付きました。YouTubeの動画編集作業のように、自分の作ったものが世に出て見てもらえることがしたい。それができるのはWeb業界だと思ったし、実際に入ってみてやっぱりそうだったなと思いました。マイテーマの探究を続けてきて本当によかったです。

 

ハタチのトビラで学んだのは「人生を楽しむコツ」だった

──社会人になった今、挑戦したいことはありますか?

まだ業界について知らないことが多いので、まずはWeb業界で働く人として一人前の仕事ができるようなりたいです。

あとは、マイテーマの振り返りをこれからも続けていきたいなと思います。今月はこれを頑張ったな、この苦手はこうすればうまくやれるんじゃないかなと毎月振り返って、行動する。それを繰り返しながら、人生を楽しんでいきたいですね。

 

──「人生を楽しむコツ」を、しっかり感じ取っていただけたようですね。最後に、後輩にメッセージをお願いします。

アクティブな学生を見ると、「自分は何もできていない」と焦ったり、「高い目標に向かって努力しなきゃ」と思ってしまうかもしれませんが、自分に合った工夫を日々重ねていけばいいと思います。私の場合は、ハタチのトビラで全然知らない人と喋りながら、マイテーマを決めてゆるっと進んでいくやり方が合っていました。

もし、昔の私のように悩んでいる人がいたら、ぜひハタチのトビラのような場所で自分なりの進み方を見つけてほしいなと思います。

(インタビュー・文:一本麻衣)